戦略的付加価値創出の提案が原動力に協同組合広島家具物流センターのメンバーは、家具メーカー2社、卸売業・小売店4社、そして小売店の発注にもとづいて店頭や消費者に商品を配送する運送業1社の計7社である。
この組合設立の原動力となったのは、運送業を営む株式会社ネストという会社だった。
同社は、広島県内の家具業者に共同配送を提案し、末端消費者向けのシステムづくりをうながしたことから共同物流の取り組みが始まった。
ただし当初から順風満帆の勢いがあったわけではなく、同社の”共同配送”の提案に対して多くの家具業者が「本当にそんなことができるのか」と好奇の目を向けてきたという。
そうはいいながらも、家具業者の底流には危機意識が強くあったことは紛れもない事実である。
大規模小売店舗法の規制緩和などによって、地方に大手量販店が相次ぎ進出してくることで、地元の卸売業・小売業は厳しい競争にさらされている。
大手量販店は、一度の配送で商品がなんでも揃う大手卸売業や大手運送業を選び、まさにビッグスケールの量販体制を消費者に突きつける。
このままでは中小企業が、消費者から切り捨てられる恐れがある。
潜在的にあった危機打開のニーズが、中小企業同士の連携へと顕在化していくのは当然の流れともいえる。
その過程において、物流コストを中小企業が大手のように自助努力で、2~3割のコスト削減をするのは不可能という認識が強まっていった。
すなわち、物流効率化法を積極的に活用していこうという道が、必然的に切り開かれていったのである。
「本当にそんなことができるのか」は、やがて「実現できたらいい、応援する」という好意的な反応に変わっていった。
ネストは家具の宅配、納品物流の管理を行う会社で年商は約2億円である。
物流効率化法の施行を契機に、家具メーカーや配送先である取引先との間で共同物流センターを構築することを、集団化事業計画としてまとめた。
通常、共同物流を担うのは、豊富なノウハウを持つ大手運送業やサードパーティ・ロジスティクスなどの企業である。
しかし、地場の運送業であるネストは自社を軸に、川上から川下までの異業種を結束させ共同物流システムを稼働させることに成功した。
ネストは取扱業としてこの協同組合に加盟している。
物流効率化法の認定を受けた施設で、総工費約6億円のうち8割を国と県からの無利子の高度化融資で賄い、平成7年3月に完成した協同組合広島家具物流センターの敷地は、7950平方メートル、建設面積は1830平方メートル、鉄筋2階建て倉庫は1階が1350平方メートル、2階が1150平方メートル、事務所が200平方メートルという規模。
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